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NEWS 衆院法務委が死因究明改革提言へ!(2008年8月27日14時33分 読売新聞)
ニュース速報です!
かねてから問題提起してきた「死因究明制度改革」の必要性。
下記の提言が法務大臣に提出され、具体的に制度改革に向けて動き始めることになりました。
これまで、声を上げてくださったたくさんのご遺族、そして現場で頑張ってこられた法医学者や国会のみなさんに敬意を表したいと思います。

●異状死解剖「5年で倍増」、衆院法務委が死因究明改革提言へ 

 異状死の解剖率の低さなどが問題となっている死因究明制度について、衆院法務委員会の超党派議員団が制度改革を求める提言をまとめ、28日に保岡法相に提出する。

 異状死の解剖率を5年後に2倍の20%(年間3万件)となるよう体制を整備することや、新制度創設を検討する審議会の早期設置を盛り込んだ。

 提言は下村博文・法務委員長(自民)と与野党筆頭理事ら5人連名となっている。死因究明制度の役割について、「犯罪見逃しを防ぐだけでなく、国民の健康と安全の確保、事故の再発防止などまで幅広い」と強調。

 事件性の有無で所管官庁が異なるなどの現行制度に対し、死因不明の全死者について、解剖、コンピューター断層撮影法(CT)、薬毒物検査などが体系的に行われる制度を新設する必要があるとした。

 欧米の多くが50%以上という異状死解剖率に対し、まず現状を倍増する目標を掲げ、〈1〉法医学の専門教育を受けた刑事調査官(検視官)の増員と警察官の検視能力の向上〈2〉大学の法医学教室の予算確保と専門家の育成――など早急な現行制度の運用見直しを提案。

 並行して抜本改革の検討を求めている。

 法務委員会は5月から委員長主催で全委員を対象にした勉強会を開くなど異例の対応で提言をまとめた。政府は昨年12月に法務、厚生労働など4省庁で改革のための検討会議を設けたが、作業は進んでいない。

●死因究明「異状死の解剖率を2倍に」、衆院委が法相に提言書(2008年8月28日12時55分 読売新聞)

 衆院法務委員会(下村博文委員長)の超党派議員団が28日午前、保岡法相と会い、異状死の解剖率の低さなどが問題となっている死因究明制度の改革を訴える提言書を提出した。

 保岡法相は「死因究明対策をどうするか、政府一体で考えていく必要がある。まずは(進め方や手順を整理する)ロードマップやプログラム法などをつくり、改革に向けた道筋をつけていくべきだ」と述べ、抜本改革に前向きな姿勢を示した。
  制度見直しをめぐっては、解剖医らでつくる日本法医学会も年内に提言を国に示す方針。今後、制度改革の動きが本格化しそうだ。

 提言書は、死因不明の全死者に対し、解剖や薬毒物検査などが適正に行われる体系的な新制度の創設が必要だとし、当面の目標として、異状死の解剖率を5年後に現在の2倍の20%(年間3万件)とすることを掲げ、審議会の設置などを求めている。

 同委員会は5月から、全委員を対象にした異例の勉強会を設置するなどして現状の問題点を洗い出し、7月に死因究明先進国とされるスウェーデンを視察した下村委員長らが提言書をまとめた。

© 柳原 三佳